1996年のスプリングステークスは「誰かのためなら、何をしても許されるのかよ?」というエピソードでした。
今日は、競馬漫画の名作「みどりのマキバオー」ネタです。 (^ω^) 作中で屈指の泣ける馬、モーリアローについて語ろう!! この馬は、関西弁をしゃべる陽気なやつで、サンデーサイレンス産駒でした。 ・・劇中ではサンデーサイデンスというパチモンだけどw モーリアローはマキバオーと同世代で、1996年の共同通信杯、弥生賞を逃げて制しています。 ミドリマキバオーやカスケード、アマゴワクチン。 彼ら世代トップレベルには及びませんでしたが、3歳クラシック戦線を盛り上げた一頭ですね。 現実世界の1996年では、共同通信杯はサクラスピードオー、弥生賞はダンスインザダークが勝ってますな。 ちなみに1994年の共同通信杯は「シャドーロールの怪物」ナリタブライアンが制覇しています。 (ゆえになんとなく、漫画内の1995年ではピーター2が勝ったような気がする?) それに続いたモーリアローには、たいそう期待がかかっていたことでしょう!! しかし・・。 その共同通信杯の大本命は、ナリタブライアンがモデルのアマゴワクチンでした。 順当にいけば、当然アマゴワクチンが勝っていたでしょう。 でも、レース中にスエヒロガリという馬が転倒。 ワクチンは転倒に巻き込まれて怪我をしてしまいます。 ワクチン骨折によりモーリアローに重賞勝利が転がり込み、彼は「悪魔のラッキーホース」という称号も得ます。 マキバオーの前でワクチンに謝るアロー、ワクチンも恨んでない様子で、みんな次に向けて頑張ろうムード! ・・しかし、誰もいなくなった後、ワクチンは皐月賞で勝負にならないことに絶望するのでした。 後日、栗東でトレーニングを終えたマキバオーは、テルという少年と遊ぶモーリアローを発見。 「やっぱりあいつはいいやつだよ。やさしいやつなのね~」 破顔するマキバオーは、チュウ兵衛から「なんだ?うれしそうな顔をしやがって」と言われてしまいます。 ですが・・ 実はモーリアローは、スエヒロガリにキックをぶち込んで転倒させた張本人でした。 (;´・ω・) なんてこった・・。 疑惑をもったマキバオーとチュウ兵衛は、モーリアローの次のレース・弥生賞に注目。 モーリアローはサトミアマゾンを卑怯な戦法で下し、ついに彼が悪党だと判明するのです!! 「あんなのと一緒に走っても、故障させられるだけだ!」 マキバオー陣営はそう考えていましたが、数日後にモーリアローの闘う理由を知ります。
モーリアローの生まれた零細牧場は、バブル崩壊の影響で経営不振に陥ってしまった。 そして牧場は倒産し、営んでいた牧場主の一家は離散。 モーリアローは、仲の良かった牧場の息子・テルくんと一緒に牧場主の甥の調教師に預けられていたのです。 「自分がなんとか賞金を稼いで、一家を再び一緒に暮らさせてあげたい」 モーリアローは、その一心で卑劣な真似をしてまで勝ちに来ていた、ということが判明しました。 競馬マニアの子供たちから「モーリアローはインチキしないと勝てない」といじめられるテル。 そのテルに「ズルはしてない、次も絶対に勝つ!」と約束し、去っていくモーリアロー。 そして彼は 「神を欺こうが、地獄に堕ちようが構わない。この子の為なら」 と言い放つのです・・。 マキバオーは優しかったモーリアローの本性と境遇を知り、戦意を喪失してしまいます・・。 でも、リハビリに励むワクチンを見て、モーリアローとの対戦を決意!! スプリングステークスで両者は激突することに!!! レース当日、マキバオーの調教師の飯富昌虎は、一抹の不安を口にします。 「マキバオーは自分がつらい経験をしてきた分、他のやつのつらさも理解できる馬なんだ」 「それが悪い方に出なければいいんだが」 と・・。 マキバオーは借金のせいで、幼い頃に母親・ミドリコと離れ離れになってしまいました。 モーリアローの境遇と気持ちを、誰よりも理解できる馬だった、ということですね。
この時のモーリアローには、カスケードでもやられていたと思う。優しいマキバオーだからこそ勝てたんだ。
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こうして始まったスプリングステークス。 予想通り逃げるモーリアローですが、なんとマキバオーはその真後ろに付けます。 モーリアローは「オレの本性を知ってるなら、なぜ真後ろに付けるんだ!?」と、マキバオーを何度も蹴り飛ばします。 そのキックは、ラチの死角を使うなど、それはもう見事な反則技でした。 モーリアローはズルズルと後退していくマキバオーに向かって吐き捨てます。 「お前やワクチンは、たとえ負けてもいいレースだったとほざいておしまいにする」 「自分は負けたら終わり。負けるわけにはいかないのだ」 ですが、マキバオーは引き下がりません。 苦労をしている自分の関係者たちの顔を思い浮かべながら、なんどもモーリアローに食い下がっていきます。 「自分だけが不幸と思わないでよ」 「みんなつらい事なんかいっぱいあるんだ」 「僕たちだって、背負っているものや根性じゃ、絶対に負けていない!!」 ここで、モンゴルで発動して以来、練習してもどうしても出せなかったマキバオーの代名詞。 『マスタング・スペシャル』を初めてレースで使うことができました。 そして、マキバオーはアローのもっとも痛いところを指摘します。 「すべてテルくんのためと言っていたけど、それはあの子のせいにしているってことだ」 「あの子を卑怯者にして、お前はそれでもいいのか」 ・・って。 これがツライ。 自分は、テルの一家のためにどんな汚名を被ろうが勝ち続けてきた。 負ければ、一家はいつまでも借金が返せず、親子が離れ離れのままである。 だが、テルは卑怯なことをしてでも勝つことを望むだろうか? 自分が悪事を働いたことを指摘されて、泣いていた子が? あの子は、卑劣な行為の理由にされてしまっている。 そうしたのは自分だ。 あの子のために勝たなきゃいけないのに、泣かせてしまって。 一体全体、自分のしていることは何なのか? ・・モーリアローにとっては、こんな状況でありました。 敗色濃厚となったモーリアローは、マキバオーの脚をすくう卑怯な攻撃にいこうとしますが・・。 ゴール前で一生懸命に応援してくれているテルの姿を見つけ、ついに反則行為を止めました・・。 そして、泣きながらマキバオーに追いすがろうとします。 「ちくしょ~!! 負けてたまるか!!」 ・・と。 スプリングステークスは、血まみれになったマキバオーが大差勝ちで勝利。 モーリアローは大敗してしまいます。 しかし、テルに励まされ、自分を育ててくれた牧場主とも再会。 改心して皐月賞へと臨んでいくのでした・・。 皐月賞の結果は、漫画を読めばわかるので割愛。 アニメ版では、現4歳時に有馬記念にも出ていたようですね。 古馬になってからも、逃げ馬として活躍した、と思われます。 続編の「たいようのマキバオー」で種牡馬になってるし、古馬になってからもG3かG2は獲っていそうな気がするが・・。 ちなみに自分なら、モーリアローはどんなレースで買うだろうか・・。 皐月賞では絶対に買わねえwww ダービーで1枠か2枠に入ってたら、3着付けで買うだろうな・・。 出れなかったし、その当時は三連系の馬券ないけど(笑) 古馬になってからは、開幕週のローカル重賞で人気しそうな気がする。 ・・あんまり馬券的な妙味はないかもしれないですね。 あとは、なんだろうな。 このスプリングステークス。 マキバオーの代わりにカスケードが出ていたら、カスケードはやられていたと思う。 この時点のカスケードは、ドバイに行って特訓中だったわけだけどね。 NHKマイルでニトロニクスに指摘された通り、皐月賞の時点では、根性や精神力の面では・・。 マキバオー>カスケードっぽい描写があるから。 ニトロから「お前はあきらめることを知らない根性に恐怖していた」とまで言われている。 つまり、この時点のカスケードは・・。 根性面や精神面ではマキバオーよりやや劣っているのかもしれない。 それなら、テルのために異様な執念を燃やし、なにがなんでも勝ちに来るモーリアローには負けてしまうのではないだろうか・・。 それにモーリアローは、倒産した零細牧場の出身。 本多リッチファームで育ったカスケードに対しては、マキバオー以上に敵意丸出しで来るだろう。 「こんなクソ坊ちゃん、どうなっても構わねー!!」 などと言って、これでもかってくらいの反則打を飛ばしてくるのではないだろうか・・。 そういうわけで、スプリングステークスのモーリアローには・・。 カスケードでは勝てない。 人や馬のつらい気持ちを理解できるマキバオーだからこそ勝てた。 という説を提唱しておきます・・。 (;´Д`) カスケードの境遇も可哀想なんだけどね。
まとめ。
モーリアローが教えてくれたことは・・。
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モーリアローは、子供の頃の私に教えてくれた。 それはふたつ。 ① 「誰かの為」と言って卑怯なことをするのは・・。 その大事な人すらも貶める行為である。 ② 自分の境遇を呪ったり、他人を妬んだりすることはあるかもしれない。 だけど、それでも、正しく生きないといけないんだよ。 自分の為にも、まわりの人の為にも。 「キレイごとだけじゃやっていけない」としても。 ということでした・・。 みどりのマキバオーを読んだ人と話すと。 たびたび「モーリアローのエピソードで泣いた」って思い出を聞く。 そんな人たちは、熱い馬たちからこういうことを感じ取って泣いたんだろうな、と思う・・。
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